株式会社沖縄ソフトウェアセンター 20周年記念誌

The 20-Year History of OSC History 【時代背景】 大手金融機関の大型案件の継続の他、卸売業や 運輸業でのオムニチャネル化対応や電力会社やガ ス会社の小売自由化に伴う競争力強化などの大手 企業でのIT投資が出てきたが、中小企業などで はデジタル化対応が遅れていた。多くの企業では セキュリティー対策など最低限のIT支出にとど まる中、一部の製造業や小売サービス業などでは システム刷新/導入案件があり、2016年以降のIT 市場規模は2019年の消費税対応などでピークにな り2020年は減少に転じた。それ以降はDX(デジタ ルトランスフォーメーション)対応やコロナ禍の リモートワーク対応で緩やかに増加したが、IT 投資の内容が業務処理中心のシステムから事業展 開のシステム投資に変化してスピード対応が重要 視されてきた。ソフトウェア業では自動車のEV 化や自動運転のニーズが高まり業務系のエンジニ アから組込系エンジニアへ技術替えとメーカー系 への転職が目についた。一方プラットフォーマー が提供するクラウド基盤を活用したノーコードや ローコード開発で、業務自動化への取り組みが容 易にできるようになりSIerのシステム開発のあり 方が変わりつつある。 セキュリティー対応やシステム運用などで全国 的にIT技術者が不足する中で金融事業関連では フィンテックやインステックなどと呼ぶIT導入 が計画されていて、コーポレートIT系システム (モード1と言われる基幹系)のクラウド化や、地 方でのレガシー系技術者を確保する方向で進んで いる。また、ビジネスIT系システム(モード2)と 呼ばれるDXのためのシステム開発に自社の社員 をシフトして新たに事業のデジタル化展開やス Ⅳ (株)沖縄ソフトウェアセンターの成長期 1 (株)沖縄ソフトウェアセンター(OSC)成長期の概況 ニアショア+エンハンス期+サービス黎明期 2016年4月~2022年8月 ※安定的顧客取引 ※リモートエンハンス業務に注力 ※ラボ的業務に注力 ※ 組織対組織での意思決定でビジネス推進 ※自社サービスの推進 ♦ラボ的ニアショア開発 ・沖縄テクノス ・リボルブ ・AVCMMS ・南海MS ・日立SC ・日立PS タートアップ企業との連携を目指す傾向にある。 2020年からは携帯電話の5Gも本格スタートして 高速大容量通信で遠隔地機械の遠隔操作や自動制 御と併せて「働き方を大きく変えるきっかけ」と なり、コロナ禍でのリモートワーク普及が後押し させやすくなり地方への分散開発が進んでいる。 【営業活動】 中期経営計画では、当初から営業拠点の東京事 務所設置の検討を挙げていたが費用対効果の観点 から検討に終始していた。当社では営業マンを置 かずトップ営業として新規事業は社長が担い、業 務系営業は副社長が担当していた。なお、常勤2名 体制になっても社長が一手にトップ営業を行って いた。理由は沖縄ニアショア開発がブランド化さ れ始めた頃からプロジェクトごとの単発営業は極 力行わず、組織間合意の下、ニアショア開発先を 決定してもらうためである。しかし、2016年度か らは当社の将来のためにプロパー社員に営業の仕 方や人脈づくりを伝授する必要を感じて専属の営 業部長を配置し、各開発部門を営業部が横串で支 援し、新規営業と技術者の仕入れ(確保)は営業部 が担うことにした。 個別の持ち帰り開発の引き合いについては目玉 になりそうな開発に絞り、エンハンス事業や開発 センター事業に重きを置いた。第一生命保険(株) の新基幹システムDNAプロジェクトへ参画した開 発実績を基に、(株)FBS(後に(株)リボルブ・シス に分社)と協業してJA共済の沖縄ニアショア開発 センターの拡大や(株)SCSKと協業して損保ジャパ ン(株)の沖縄開発センターの立ち上げ拡大を進め た。また、株主の沖縄テクノス(株)と協業して日立 グループのニアショア開発センターを立ち上げた。 T&D情報システム(株)から受注した生保基幹シス テムのリモートエンハンス業務の立ち上げ拡大と 太陽生命保険(株)から受注した個人保険オープン 系のリモートエンハンス業務と逐次プロジェクト を立ち上げていったが、全国的なIT技術者の不足 は沖縄でも同様でIT技術者確保に苦労した。 ニアショア持ち帰り開発やリモートエンハンス 事業および開発センター事業はほとんどが下請け 業務であり、客先要求による労務提供が主である ため、自主主導型の自社サービスの立ち上げを模 索した。2017年に沖縄アジアITビジネス創出促 進事業に4社コンソーシアムを結成して強固なセ キュリティー PaaS基盤の「G-WORKER」を構築 して、その上にSaaSとして外国人就労支援サービ ス「ZAI★CAN」を構築してサービスを開始した。 その他にはストレージサービスの「Ryukyus」の サービスを提供している。 都道府県会館で開催した沖縄県主催の「沖縄 県情報産業集積会議」で基調講演とパネルディス カッションのモデレーターを務めていただいた中 央大学専門職大学院経営戦略研究科の丹沢安治教 授の同ビジネススクールへの当社ビジネスモデル を2回に渡り授業を行った後、当社をモデルとし た「ビジネスエコシステム講義」と同研究グルー プからの当社へのビジネス展開の提案もなされた ♦リモートエンハンス ・DLS ・SCSK ・T&DJS ・太陽S ♦ITサービス ・G-Worker ・ZAI★CAN ・Ryukyus ・Corona ・トップ営業+営業担当 ・1次受託の営業 ・自社技術者育成 ・株主とコンソで技術者育成 [ニアショア+エンハンス+サービス黎明期] 80 81 20 第2章 各部・委員会・ BP紹介 第3章 今後の事業展望 資料編 ご挨拶・祝辞 第1章 年の歩み

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