株式会社沖縄ソフトウェアセンター 20周年記念誌

The 20-Year History of OSC History Ⅲ (株)沖縄ソフトウェアセンターの基盤構築期 【時代背景】 東日本大震災やその後の電力不足、欧州の財政 問題やタイの洪水などに影響され一時期受注は落 ち込んだものの、2012年には復興財政支出や金融 緩和、エコカー補助金などによって景気が好転し、 先送りされていたメガバンク系列の基幹システム の統合・更改は、みずほフィナンシャルグループ をはじめ多くのプロジェクトが計画された。さら に通信インフラではスマートフォンの普及や4G の高速大容量通信が実現され、仮想化・クラウド 化の到来がITマーケットの回復を押し上げてき た時期となった。日本の大手ベンダーやSIerでは、 大型で技術者を大量に必要とする詳細設計や製造 関連の下流工程の外注先は中国をはじめとするイ ンドやベトナムのオフショア開発が主流になって いたが、ニアショア開発が認知されて品質やタイ トなスケジュールの開発案件については国内の地 方への分散も広がっていた。 また、2010年9月の尖閣諸島中国漁船衝突事件 を発端に、カントリーリスク対応の観点から中国 オフショア開発からの国内回帰が強まった。沖縄 県ではマルチメディアアイランド構想のさらなる 推進に向けて沖縄IT津梁パーク構想やSMARTHUB構想を推進しており、ソフトウェア開発の国 内回帰の流れの中で「ニアショア開発・沖縄」の ブランド化に向けて官民一体となって邁進して いった。 復帰40周年を迎えた2012年に沖縄県は「沖縄21 世紀ビジョン基本計画」を策定し、20年後の沖縄 県のグランドデザインが描かれた。同計画の経済 面では「希望と活力にあふれた豊かな沖縄」を標 榜して、情報通信関連産業の高度化・多様化を掲 1 (株)沖縄ソフトウェアセンター(OSC)経営基盤構築期の概況 ニアショア+エンハンス期 2012年4月〜2016年3月 [ニアショア+エンハンス期] ♦ 沖縄IT津梁パーク・ニアショア開発拠点拡充 ♦ IT津梁パーク中核会社として社是・社訓の制定 ♦透明化経営の実施 ♦社員待遇改善の実施 ※会社組織の再構築 ※株主との協業再構築 ※営業体制の再構築 ※事業の柱の再構築 ※第1次中期目標策定 げて『東アジアの中心に位置し、豊富な若年労働 者を有するなど本県の特性を最大限に生かし、ア ジアにおける国際情報通信拠点 “ ITブリッジ” と して我が国とアジアの架け橋となることを目指 し、沖縄IT津梁パークを中核に国内外からの企 業立地促進、県内立地企業の高度化・多様化、人 材の育成・確保、情報通信基盤の整備等に取り組 みます。』(沖縄県のホームページから抜粋)と明 記され、情報通信関連産業への期待が示された。 【営業活動】 リーマンショックや東日本大震災から徐々に経 済が回復してIT投資も戻ってきた。特に沖縄ニ アショア開発は、沖縄IT津梁パーク構想などの 沖縄県の情報通信産業振興施策が首都圏をはじめ とする他府県のマーケットにも浸透した結果、引 き合いが数多く寄せられた。また、沖縄IT津梁 パーク視察には首相をはじめとする大臣や政府高 官など多くが県外から来館した。同視察には中核 企業として、沖縄県や管理事務所と一緒にほぼ全 部の説明会に参加して沖縄県の情報通信産業の振 興についての意見交換と積極的に当社のビジネス 展開に活用した。全国的なPRの取り組みとして は、JUASスクエア2016に沖縄県の東京事務所と 参加して「〜ニアショア推進を一例とした沖縄と 企業の連携〜」と題して、沖縄が果たすアジアと 日本のITブリッジの可能性や沖縄県と企業がタ イアップするIT産業の推進の可能性について講演 した。 12月には、JUASの「ITグループ会社経営フォー ラムⅠ」のメンバー 13名が沖縄IT津梁パークの 視察に来沖し、後の大同生命システムの業務受託 に結びついた。 当社が沖縄IT津梁パークの中核棟建築当初か ら目指していたのは、高セキュリティーな開発室 を活用したシステムの維持・改善・保守を行う 「リモートでのエンハンス業務」であった。それ に向けて第一生命情報システム(株)と進めていた Notesプロジェクトが2年目を迎え、情報管理の徹 底と要員の増強も計画通り成し遂げることができ た。お客さまからのお墨付きをいただいてWISE プロジェクト、Navitプロジェクトとオープン系 領域の拡大を進めていった。コミュ ニケーションや作業手順などの遠隔 地でのシステム保守運用の目処が 立った2012年2月〜4月には基幹業務 である個人保険の領域へ拡大するた めに第一生命保険(株)の豊洲事業所 へ15名の要員を派遣して沖縄ニア ショア開発地点の拡大に向けて取り http://juas-event.jp/square/sq2016/speaker/b3/ ・トップ営業 ・リーマンショックで既往顧客半減 ・2次、3次の要員派遣 ・自社技術者育成 ・社員と株主・BP技術者を派遣 ・余剰要員でも県内受注不可で稼働率低下 ・売上は半減、固定費増 ・累損が膨らむ ・文鎮型組織 ・自社技術者育成 ・株主技術者と協業して要員派遣 ・ 要員余りでも県内受注不可で稼働率低下 70 71 20 第2章 各部・委員会・ BP紹介 第3章 今後の事業展望 資料編 ご挨拶・祝辞 第1章 年の歩み

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