株式会社沖縄ソフトウェアセンター 20周年記念誌

The 20-Year History of OSC 4代目社長(現顧問) 饒平名 知寛氏 談 (株)沖縄ソフトウェアセンターの社長を託され、2012年6月開催の第10期定時株主総会に於 いて承認されました。2012年3月期決算書の累積損失は124百万円に膨らみ、累積損失を解消す るためには単年度黒字を十二分に確保することが最優先であると考えました。しかしながら、 2008年度の商号変更から一般管理費が総経費の20%前後で推移し、粗利を確保できても粗利以 上の一般管理費により赤字になり、経営体質を改善する必要があると考え常勤役員体制を3名 から2名に減らすことにしました。また、各部の売上総利益の捉え方がまちまちで利益よりも 受注することが最優先となり利益確保の視点が欠落していたので、意識改革をするために「見 える化」経営を目指しました。CMMIレベル3の達成で「プロセスの見える化」はできつつあ りましたが、全社的に風通しの悪い状況にありましたので、まず初めに経営指数を取り入れた 「経営の見える化」を早急に確立する必要がありました。併せて、「行動の見える化」を徹底さ せるためにイントラネットに徹底してスケジュールを入力し管理させることと、出張伺書の徹 底で出張先・日程の行動を明確化させて出張報告書では訪問内容を詳細に記録させて営業情報 としてデータベースに格納することで可視化することができました。見える化を浸透させるの には約2年の時間を要しましたが、会社の経費と時間を私物化しないことと情報集積すること の大事さを各社員が認識したのが大きな経営改革の1歩となりました。 第2次中期経営計画書(2012〜2014年度)は社長就任に向けて私を中心に練り上げ、私が目指 す中期経営計画書を策定しました。役員2名体制になると体力的要素が必要であると思い(株) オーシーシーの山根社長(当時)に頼み込んで若い宮城義人氏を常務取締役として出向させてい ただきました。当社の主な取引先は県外企業でスピード感のある経営を求められていたので、 宮城氏は明るく行動も早く2人3脚体制で素早い決断を下す事ができました。社長就任の初年度 (2012年度)は黒字でスタートすることができましたが、2年目には問題プロジェクトにより赤 字になりました。しかし、その後はお客さまからの信頼確保と社員の頑張りで業績を積み上げ て2017年度には累積損失を解消することができたのが一番の精神的負担軽減になりました。 その間、長年課題としていた社員の基本給のベースアップや退職金制度の導入、2013年度に は社是・社訓を制定して会社の方向性を明示し、組織規程を作成して職務権限規程を施行して 組織と役職員のやるべき事を明確にしました。また、役員内規に基づき64歳で社長を退任した 時には、次の社長に引き継ぐ際に決めていた「利益剰余金1億円以上を確保して株式配当」、「役 員報酬の100%支給」、「非常勤役員への報酬支給」の目処がたち、長年の願いが叶って安心し てバトンタッチできたことは大変嬉しく思いました。また、OSCへ商号変更後の厳しい経営状 況の時は取締役会に於いても厳しい運営を強いられましたが、社長になって経営が安定してく ると取締役会からの協力や支援も沢山いただきました。特に當銘監査役からのアドバイスに基 づいた資金繰りの改善には心が休まりました。 次世代役員に期待したいことは、沖縄IT津梁パークの中核企業として(株)沖縄ソフトウェア センターへ商号変更した時に資本金を集める際の「沖縄ソフトウェア・オフショアコア会社事 業計画」では、4年目に売上高40億円以上を目指すために資本金は4億円の資金が必要として多 くの企業に呼びかけ、資本金2.5億円を集めることができましたので、今後は売上高25億円を目 指して、外貨を稼いで沖縄県経済及び沖縄IT業界に寄与して頂くことです。また、風通しの 良い働きがいのある会社にして頂きたいですね。 90 91 20 第2章 各部・委員会・ BP紹介 第3章 今後の事業展望 資料編 ご挨拶・祝辞 第1章 年の歩み

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