株式会社沖縄ソフトウェアセンター 20周年記念誌

当社は2022(令和4)年10月1日、創立20周年を迎 えることができました。これもひとえにお取引先 様や株主をはじめとするビジネスパートナーの皆 様および沖縄県、県内外の情報通信産業関係者の 皆様のご支援、ご指導のおかげと、深く感謝申し 上げます。 当社は1998(平成10)年に、沖縄県が策定した 【沖縄県マルチメディアアイランド構想】を背景 に、沖縄県の経済発展のために情熱に燃えるソフ トウェア会社から有志を募り、オール沖縄を合言 葉に2002(平成14)年に(株)フロンティアオキナワ 21として創業いたしました。その後、2008(平成 20)年に沖縄IT津梁パークの中核企業として増資を 行い(株)沖縄ソフトウェアセンターへ商号変更し、 新たな一歩を踏み出しました。 当時を振り返ってみますと、私が(株)フロンティ アオキナワ21の業務に関わったのは2004(平成16) 年に、当時の饒平名社長(現顧問)より第一生命保 険(株)プロジェクトがスタートするので、ブリッ ジSEとして参画できないかとお声掛けいただき、 ブリッジSEという初めて聞く響きに感動して引き 受けた記憶があります。しかしながら、その後の 業務は私にとっては苦難の日々でした。初めて顔 を合わせるメンバー3名体制で私は上流工程の作 業と他2名の進捗管理、以下2名は下流工程の作 業を習得する役割で進めていました。初めて触れ るBiz/Browserツールの習得と仕様書・製造・成果 物に対しての規約ルールの要求遵守、特に保険業 務を覚えるのが一番きつく苦労しました。何もか もが初めての試みで約9カ月間のオンサイトでの 常駐を無事に終え、沖縄への持帰り開発が実現し ました。その後、約2年間プロジェクトが続き多 い時には株主・ビジネスパートナーからご協力い ただき30名体制まで規模を拡大し、納品に向けて 無我夢中で仕事をしていたことを今でも鮮明に覚 えています。現在の私があるのは第一生命保険(株) プロジェクトを経験した実績と、私にお声掛けい ただきいろいろと仕事のノウハウを教えていただ いた饒平名さん、プロジェクトマネジメントを教 えていただいた木場さんのおかげだと大変感謝し ております。 その後、日産自動車(株)・日本電子計算(株)・(株) NSソリューションズなどから大型案件の依頼があ り200(8 平成20)年頃から営業部・システム開発部 の部長を兼任してプロジェクトを進めてきました が、受け入れ要員・プロジェクトの数が多くなるな か、さまざまな課題が発生し、当時の饒平名社長 の強い要望により、ニアショア開発における共通プ ロセスの必要性を感じ、CMMIの取得に向けて動 き出しました。それから約2年半掛けてレベル3の 成熟度達成を認定いただき、全プロジェクトに適 用することで共通化・視える化を図りました。 株式会社 沖縄ソフトウェアセンター 代表取締役社長 松田 崇 創立20周年を迎えて 発刊のご挨拶 弊社の最も重要な取引先である第一生命保険関 連プロジェクトは延べ18年間継続しています。現 在では、業務ノウハウも蓄積し付加価値の高い上 流工程からの業務も増えたことで「リモートエン ハンス事業」と位置づけて80名前後の開発体制で 推移していますが、将来的には100名体制を目指し て頑張っています。 次に大きな事業の柱は、(株)T&Dホールディン グスIT子会社のT&D情報システム(株)からの受託 業務です。2017年に大同生命保険(株)の案件がス タートし、現在では大阪常駐者5名、沖縄側では 35名体制で下流工程の作業を行っています。また、 2022(令和4)年には、太陽生命保険(株)の案件がス タートして沖縄側ではシステムエンジニア11名体 制、プログラマー4名、オープン系画面開発7名 体制で下流工程からのリモートエンハンス業務を 行っています。今後は大同生命保険(株)・太陽生 命保険(株)の案件共にスキルアップを図りながら 上流工程へチャレンジし付加価値の高い「リモー トエンハンス事業」の拡大を目指して頑張ってい きたいと思います。 2020(令和2)年初頭に始まった新型コロナウイル ス感染拡大の影響で、短期間で在宅勤務・テレワー クが普及し、必ずしも首都圏で仕事をする必要が なく、通信が繋がる所であれば場所を選ばず仕事 をこなすことができるようになり、当社が設立当 初から目指してきたITによる地方分散開発が加速 しつつあります。 全国的なIT人材不足の波は沖縄も例外ではなく、 沖縄のニアショア開発が認知されるようになり、 当社も県外大手企業から幾度となく提携の話しは あるものの、人手不足による体制構築が厳しくお 断りをしているのが現状です。このような構造的 な課題への対策として、6年前よりIT人材育成の 取り組みを進めてきました。弊社が中心になりIT 株主の皆様にお声掛けし、合同でIT未経験者を公 募して人材育成コンソーシアムを立ち上げて10代 ~ 30代の方々を採用し、8カ月間集中的に専門的 教育を行い、毎年5名~ 10名前後の新たなIT人材 を輩出しています。 また、創業当時の社員比率は、社員3割、株主 を中心としたビジネスパートナー7割の構成でス タートしましたが、現在では、株主・ビジネスパー トナーもIT人材不足の状況にあり、新たな開発体 制の構築が容易ではなく、お客さまへのご要望に お応えすることができず、現在では5:5の比率ま で低下し、節目である創立20周年を迎え、改めて オール沖縄による協業の意義を考える必要があり ます。 当社は、DX(デジタルトランスフォーメーショ ン)推進と今後の人手不足対応のためのコード自動 生成化に向けた対応に着手し、株主・ビジネスパー トナーとの協業に向けて新たなニアショア開発の メニューを確立してまいります。初心者向けのカリ キュラムを作成し、沖縄の子育てひとり親世帯向 けに、リモートワークで在宅勤務が可能なIT業務 の仕事を提供していきたいとも考えています。 最後に、弊社は沖縄の情報通信産業発展に寄与 し株主と共に沖縄のソフトウェア開発力を結集し 日本とアジアをつなぐ架け橋を目指すという企業 理念を持って、30周年、50周年を目指して役職員 一同、社業の発展・社会貢献に全社一丸となって 取り組んでまいります。引き続き、関係者各位の 皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し 上げまして、挨拶とさせていただきます。 2 3 20 第1章 年の歩み 第2章 各部・委員会・ BP紹介 第3章 今後の事業展望 資料編 ご挨拶・祝辞

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